絵の具を焼く

〜焼いて色を変化させる〜

こんにちは。(こんばんは かな?)
絵の具の話が続きます。飽きてきたら読み飛ばしてくださいね。

天然の岩石から作り出された天然岩絵の具は、焼いて色を変化させることができます。
新岩絵の具は焼くとそのときだけ色が変わりますが、冷めるともとに戻ってしまいます。

天然岩絵の具と新岩絵の具については、以前のコラム
岩絵の具の魅力 その1 をご覧ください。

天然岩絵の具であればいずれも焼くと変化するようですが、
よく焼かれる(笑)のは、群青や緑青といった鮮やかな絵の具です。
そのままでは発色が強すぎて表現に合わない場合、少し焼いて落ち着いた色合いにしたり
さらに焼いて黒っぽくすることもあります。

焼く前後の岩絵の具
焼く前の岩絵の具(左)と、焼いたあとのもの(右)

焼き方

焼き方は簡単です。小さなフライパンや専用の器具に絵の具をとり、火にかけるだけです。
そのままほっておくと火力の強い部分だけが焦げてしまいますので、
常に絵の具を振りながら弱火でまんべんなく加熱します。
何を加熱してもたいがいはガスが出ますね。健康によろしくないので換気をしましょう。
焼いたときに好みの色合いだったとしても冷めると少し色が戻りますので、少々過分に焼いておきます。

焼いたあとは冷ましてから膠を加えて溶きますが、水を加えると焼いた「アク」が浮いてきます。
それも絵の具の塗り味になりますが、濁った色が気になるのでしたら
アクを含んだ上澄みを捨ててもう一度膠を加えて溶き直すとよいでしょう。

天然群青や天然緑青はあらかじめ焼いたものが「焼群青」や「焼緑青」として画材店で販売されていますが、
自分で焼いて加減するのも良いものです。

赤い色の絵の具は焼いてはいけない(危険!)

ちなみに赤い色の絵の具は「絶対に」焼いてはいけません!
有毒ガスが出ます。