谷を渡る風

サイズ150号変形
制作年2005年
第90回秋の院展入選

仕事で伊豆に通うたびに車窓から見える民家の庭の光景が頭にこびりついていました。
洗濯物が気持ちよさそうに風に吹かれ、これを干したのはどんな人だろうか、
家族はどういう人たちなのだろうか、などと想像をめぐらせたものです。
しかしそういった文学的な想像ばかりでなく、絵画的・造形的に魅力を感じていたのももちろんです。
制作中はとても気持ちが高揚し、睡眠時間が数時間しかとれない日が続いても全く眠気を感じないほどでした。
この作品は院展で受賞できませんでしたが、あとあとになっても師匠や先輩方に
「あの洗濯物の作品で受賞したでしょう?」と勘違いされるほど良い評価を頂戴しました。