「日本画」とは?

「日本画」というとどんな絵を思い浮かべるでしょうか。
浮世絵? 水墨画? あるいは日本人が描いた絵なら日本画と呼べるのでしょうか。

油絵を描く画材は油絵の具、水彩画を描くなら水彩絵の具 などと、
普通は絵を描くための画材の名称がそのまま絵のジャンルを示していますね。

日本画の場合も日本画専用絵の具を使って描いた作品が「日本画」と呼ばれるのです。

日本画専用絵の具って?

さて、それでは日本画専用絵の具とはいったいどのようなものかご存知ですか?
さまざまな色の岩石を細かく砕いた「岩絵の具」がそれです。一見、美しい砂か粉のように見えます。
その岩絵の具を「にかわ」という接着剤で練り、適宜水で薄めればできあがりです。

日本画を描く場合は1色1色「絵の具を溶く」という作業をおこない、筆で描いてゆきます。

日本画もキャンバスに描くの?

キャンバスと呼ばれる基底材(描くための画面)は特殊な場合を除き、油彩画やアクリル画のために用意されています。
日本画は専用の和紙に描くのが一般的で、和紙が普及する以前は絹に描いたりもしていました。
絹に描く技法は次第に廃れてきましたが、それでも現代に引き継がれています。

日本画は “日本” という国名を名称に使っていることが混乱のもとですね。
岩絵の具やそれに類する絵の具を使って描く絵なのだから、「岩絵の具画」とでもしたほうがわかりやすいのでしょうか。

日本画についてはこのコラムで順次ご紹介してゆこうと思います。

山種美術館のホームページ にも、「日本画について」という解説コーナーがあります。

牧野伸英作品
日本画の例(牧野伸英作品)