私は大学で日本画を描き始めて以来、全ての作品を撮影し記録してきました。初めはネガフィルムを使っていたものが画質の向上を求めてポジフィルムを使うようになり、それをフィルムスキャナーでパソコンに取り込んで保存していました。
現在ではもちろんデジタルカメラも使いますが、併用してフィルムでも撮影し続けています。デジタルデータの永続性をいまひとつ信頼していないからです。
また、手元に大判のポジがある場合はそれをパソコンに取り込むと、ポスターサイズの商業印刷にも余裕で使える解像度とびっくりするほど臨場感のある美しい画像を見ることができます。
しかし近年ではポジフィルムが手に入りづらくなり、フィルム自体や現像の価格もずいぶん上昇してしまいました。
一方デジタルカメラの性能は充分すぎるほど向上し、私たちが手に入れられるような機材でも高い解像度で撮影できますから、そろそろフィルムとはお別れしなければならないでしょう。
デジタルカメラで撮った作品画像は実作品を見ながら色を調整しておきます。パソコンの環境によって色はずいぶん変わって見えるのですが、とりあえず現状でベストを尽くしておきます。
そして作品にシリアルナンバーを付けて「ファイルメーカー・プロ」というデータベースソフトで管理します。諸情報と作品の小さな画像も含めるので、のちに情報を活用したいと思ったとき、例えば作品リストが必要になったりワークショップなどで自作を紹介する準備の際に検索が容易です。
このデータベースソフトは自由度が高く、操作画面や格納するデータの種類と扱い方法を、あとからいくらでも変更できるので非常に便利なのです。
このようにデータベースはもちろんのこと、それ以外にも自らのホームページ運用や印刷物の作成など、便利さと時代の流れによってパソコンを大いに活用しています。
とはいえ本当はポジフィルムの話と同様、かつて図書館で活用されていた「カード目録」のような、目だけではなく手でも触れて、重さや匂いなどを感じられるモノの方が好きなのですけれどね。