日本画家 牧野伸英 公式サイト
秋明菊(素描)
大好きな花のひとつである秋明菊は、鉢植えを写生したあと庭に植え替えます。
すると翌年はずいぶん背丈が大きくなって伸び放題に乱れてしまうので、
結局また鉢植えを買って写生することになります。
この年は珍しく八重咲きの白い花が手に入りました。
涼秋
サイズ | 8号 |
東京の町田市には立派なダリア園があり、何度か写生に通ったものです。
人の 顔よりずっと大きな花が咲いていたり、色とりどりで形もさまざまなダリアは
モチーフとしてとても興味をそそられるものです。
初秋のダリヤは静かな園内でひっそりと咲き、
牡丹園のような華やかなにぎわいとは違う情緒がありました。
柿(素描)
美味しかった柿のタネを蒔き、芽が出てきたときの喜びは格別でした。
実生の柿は渋柿だとわかっていてもそのまま育てて、
やはり8年くらい経ったら実がなるようになりました。
味は渋くとも色と形は一人前なものですね。
錦秋
サイズ | 15号 |
七竃(ななかまど)には思い入れがありますが、
いくつかの品種のうち「裏白七竃(うらじろななかまど)」という種類が大好きです。
葉の裏側が白っぽく、葉縁のギザギザが真ん中より先端部分のみにあり、
葉自体の形も気に入っているのです。
七竃の中でも特に高山地帯だけに自生しているので
普段の生活ではなかなかお目にかかることができません。
以前小苗を手に入れたことがありますが、うまく育ちませんでした。
秋草(掛け軸)
カルチャーセンターの日本画教室で掛け軸を描くことを生徒さんたちに勧め、
薄い和紙に薄塗りで表現する方法を指導させていただきました。
そのついでに自分も描いてみたのですが、実は私も掛け軸の制作は初めてなのでした。
ビギナーズラックというか、その割には思ったような作品に仕上げることができて
ほっとしました。
デンドロビウム
サイズ | サムホール |
ランの中でもデンドロビウムが好きですが、
これは「宇久須」という、西伊豆の地名にちなんだ品種です。
今はもう廃園になってしまったランの里の売店でひと目惚れし、
大事に持ち帰って写生しました。
秋叢
サイズ | 6号(41×31.8cm) |
白い花は秋明菊です。
たおやかで、庭の草むらの中で風に吹かれる風情は良いものですが、
生命力が強いためどんどん増え、庭中秋明菊だらけになってしまいます。
高山の秋
サイズ | 40号(100×100cm) |
制作年 | 1992年 |
第47回春の院展入選 |
春の院展に初入選した作品です。
山岳の厳しさを絵に描きたくてヒマラヤまで写生に行ったほどでしたが、たまたま秋に登った北アルプスの涸沢で七竃の紅葉に感動し、その気持ちが初入選につながりました。
その後しばらくは毎年30kgの荷物を背負って北アルプスに登り、数日間山ごもりしての写生が恒例となりました。