#冬

稲作のためには株を残さず耕してしまうのが良いそうですが、
ときにはこのような魅力的な景色を目にすることができます。

通っていた小学校からのグランドからは浅間山を良く望むことができ、
その位置からは右側の稜線が雪で細い筋に見えます。
なぜそうなるのかと、担任の先生がクイズを出しましたが、
幼い私には答えが見つかりませんでした。
見る場所によって全く違う山容を示すことも浅間山の魅力です。

薄暗い葉っぱの茂った中に一重の白い花がぱらぱらと咲く山茶花は
まさに初冬の風情を感じさせてくれます。
墨と胡粉を使って表現しました。

椿は毛虫がつくので自宅に植えるのは敬遠していたのですが、
つばき園に写生に行くごとに、そこで売られている苗に目を奪われ
結局いくつかを買い求めることになりました。
案の定、夏が近づくとチャドクガが発生して
気付かないうちに葉が丸坊主にされてしまったことがあります。
毛虫を処理して枝を払い、そのまま樹が枯れゆくのを惜しんでいると
なんと幹一本だけになってしまったその先から新芽が出て見事に復活したのです。
生命力の強さに感嘆した出来事でした。

華やかなラッパスイセンよりも日本水仙のたおやかな雰囲気が好きです。

公園などで山茶花の白い花を見かけると冬の到来を実感します。
その季節感が伝わるように、しかも寒々しい絵にならぬよう
気を配りました。

普段草花を描くときはそれぞれの季節感を大切にして描いていますが、
この作品では四季おりおりの花をいっぺんに表現してみました。