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背景のステンドグラスを塗っています。
細かい粒子の岩絵の具に白色を混ぜ、すでに付けたマチエールを生かすよう
水で薄めて伸ばして塗って行きます。
それでも絵の中では色が鮮やかすぎて邪魔になるので、
今後の作業でバランスを見ながら明度を上げたり彩度を下げたりする予定。

指先まで盛り上げ。
やみくもに厚塗りになることは避けるべしと、何かの技法書で読んだ気がします。
私の場合は大作に画面の強さを与えるため、盛り上げ塗りのあとさまざまな描法を加えてゆきます。
ですので盛り上げ作業が終わるまでの全てが下仕事とも言え、
制作期間の半分を過ぎた今も下仕事を続けていることになります。

院展出品画を描くときに、私は絵の具をたっぷり盛り上げる技法を用います。
画面が広いこともあって次々と膠を消費しますが、
最近では防腐剤を加えることもあり、通常は膠を無駄に捨てることがほとんどなくなってきました。
なのでこの段ボール箱いっぱいの膠はおそらく一生分ほどに相当するかもしれませんね。
そんなに長期間品質が維持できるかどうかはともかく。

ひたすら人物の盛り上げをしてます。
早く乾くのはありがたいけど、とにかく暑いですね。
高原の空気はどこへやら。
この仕事場はクーラーないので、昼過ぎは一時避難してます。乾き待ちもあるから好都合だけど。

人物などの下図線を最終転写。
このあと人物部分は岩絵の具を盛り上げつつ塗ってゆきます。

今日は上原美術館のワークショップでした。

夏休みということで親子を対象とした砂子を使う内容でしたが、大盛況でお子さんたちにとても楽しんでもらえたようです。

また冬にもおこないますのでお楽しみに!

院展出品画、ある程度下仕事が進んで
これから描写にかかります。

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マチエールの凸凹が付きすぎている部分にやすりをかけます。
あまり突出している部分があると、最後まで邪魔になることがあります。

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床の部分を中心にマチエールを付けてゆきます。
床としての抵抗感を出すと同時に、大作としての強さを得るためです。
一度だけでなく、さまざまな作業を挟みながら何度か繰り返し、
やりっぱなしに見えないよう深みを出してゆく必要があります。

下仕事をした上に、背景と人物のシルエットを転写。
これからバックの密度を上げてゆきますが、位置の目安にするために人物を塗ります。

来た来た、今年の院展の出品申込書。
「無」ってハンコが押してあるのが「無鑑査」ってことです。
つまり審査を受けずに入選させてもらえる!
よっぽどのことがなければ(笑)9/2から開催される「秋の院展」に陳列されます。

岩絵の具を薄く流したり、乾いた上にまた流したり、作業を繰り返すとこういう調子がつきます。
日本画にはさまざまな表現がありますが、私は大作・・・ 
特に院展のように作品同士が並ぶ場で勝負しなければならないときは、
画面に強さを出すためにこのような下仕事を繰り返します。
単調にならないよう、間延びしないよう、しかもうるさく重苦しいだけにならないよう、
これまで実践してきた経験を生かしながら進めてゆくわけです。