絵の構図は真ん中が大切

構図は最も重要

絵は、技法の面から言えば構図が最も重要です。構図とは画面上での絵柄の配置のことですね。
どれだけじょうずに描いても、どれだけ気持ちがこもっていたとしても、構図が悪ければ絶対に良い作品になりません。

もちろんそれまでになかったような斬新な構図もあるでしょうし、新たな試みは積極的に挑戦すべきですが、
ここではまず、初心の方が押さえておくべき基本的な構図の注意点を記します。

まず感覚を鋭敏に

類書をひもとけば、対角線構図とか黄金比とかさまざまな理論が説明されていますが、
絵が視覚を通して人間の感覚に訴えるものである以上、理屈が先行すべきではありません。
そういった絵画論を頭に入れておくのが悪いことではないとはいえ、
描き手の感覚がまずあって、その裏付けとして理論があるべきでしょう。

実践としてはまず、その絵によって何を言いたいのか、何を描きたいのかをはっきりさせます。
「湖畔に立つ一本の白樺の樹が美しかった」でもいいでしょうし、「山から沸き立つ噴煙がおもしろかった」
でもいいでしょう。
目の前の光景のうち、何に心を打たれたのか、第一印象が何だったのか自問自答するのです。
「白樺の樹の美しさや、湖の透明感、向こうの山々の面白さや空の色の鮮やかさも描きたい・・・」
などと欲張ってはいけません。
何が言いたいのかわからない絵になってしまいます。
第2印象、第3印象は必要ないのです。長打を狙って大振りせず、最も心を打たれた真っ芯をとらえてミートしましょう。

「真ん中に大きく」が基本

そしてその主題を画面の中央に大きく配置します。あくまで基本としてです。
白樺の樹であれば、枝葉の広がりがはみ出すほど大きく配してもいいですね。
そのくらい大胆に配置しても画面には必ず余白が生まれますから、周囲の光景で必要なものをそこに組み込んでゆきます。
白樺に隠されながら、向こうに湖の一部が少しのぞいていれば必要充分かもしれませんし、
それが絵の中のポイントとしてきりっと引き立つかもしれません。
以前耳にしたことですが、小学生などをコンクールに入選するために絵画教室の先生は、
「描きたいものを画面の真ん中に、はみだすくらい大きく描きなさい」と指導するそうです。
言いたいことがはっきりした絵になり、他の作品と並べたときに見栄えがするのでしょうね。
一律にそう指導するのは表現の幅や自由さを狭めてしまうのでどうかと思いますが、
基本としては間違っていないと思います。

基本から応用へ

で、何でもかんでも主題をど真ん中に大きく配置すればよいわけでないのは当然ですね。
画面の動きやバランス、造形的な面白さを演出するために、中央からどのようにずらして配置するか、
あるいはどのくらいの大きさ(小ささ)で描くかは
描き手の狙いと感性がものを言うところです。
簡単な小さいラフスケッチでもいいですから、同じ絵でいくつか構図を描いてみて、
並べて比較するのはとても効果のある方法です。

そして最終的に善し悪しを判断するには、やはり感覚を鍛えるしかありません。
絵をたくさん観て、心を動かされる作品に出会う。絵をたくさん描いて研究する。
上達の方法はそれに尽きます。